建築探訪記:歴史と魂が息づく空間、自由学園明日館と雑司ヶ谷旧宣教師館

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はじめに

蒸し暑い夏の日、東京の豊島区にある自由学園明日館と雑司ヶ谷旧宣教師館を訪れました。どちらも国の重要文化財に指定された歴史的建造物であり、建築探訪家として心躍る場所です。

自由学園明日館:巨匠フランク・ロイド・ライトの魂が宿る空間

1921年に建築家のフランク・ロイド・ライトとその弟子である遠藤新によって設計されたこの建物は、昭和6年に竣工しました。幾何学模様の窓格子が印象的な木造建築です。見学料500円(2024/07/20現在)を支払い、館内に入ると、木と光が織りなす温かみのある空間が広がっていました。

見学当日、東京はかんかん照りの猛暑日。しかし、明日館に入ると不思議と涼しく感じられました。これは、ライトが設計した窓の配置や庇の使い方によって、自然光を巧みに取り込み、風通しを良くしているためです。

特に印象的だったのは、講堂です。

一歩足を踏み入れると、木の香りが漂い、驚くほどの静けさに包まれました。思わず20分ほど椅子に座り、何も考えずにボーっとただ空間を味わいました。

明日館は、フランク・ロイド・ライトは、自然との調和を重視したデザインで知られており、明日館もその例外ではありません。この建物は、1945年の東京大空襲の際にも地元の人々の消化活動によって火災を免れ、その後の修繕や耐震工事を経て現在に至ります。

見学時間は約1時間でしたが、隅々までじっくりと見学し、ライトの設計思想や当時の様子を想像しながら、歴史と魂を感じられる貴重な時間を過ごしました。

窓枠に宿る魂:良いモノを創ろうとする意志

明日館の窓枠をよく見ると、一つ一つが丁寧に作られていることがわかります。窓格子を斜めに配置することで、木材の無駄を計算して省き、強度を増すことができます。

これは、当時の人々がいかに丁寧に、そしてコストを意識しながら建築物を作っていたかを物語っています。

現代の建築では、このような手間暇をかけた装飾は見られなくなりました。しかし、明日館の窓枠からは、良いモノを創ろうとする人々の魂を感じることができます。

雑司ヶ谷旧宣教師館:趣のある洋館と美しい庭園

明日館を後にし、続いて訪れたのは雑司ヶ谷旧宣教師館です。こちらは1907年に建てられた木造2階建ての洋館で、アメリカ人宣教師ジョン・マッケーレブの居宅として使用されていました。

全面ガラス窓と、そこから見える緑豊かな庭園が印象的な旧宣教師館。重厚な木造建築と繊細な装飾は、当時の西洋文化を感じさせます。

趣のある洋館と美しい庭園

旧宣教師館の外観は、白と緑のコントラストが美しい洋館です。窓枠やベランダの装飾など、細部まで丁寧に作られており、当時の西洋文化を感じることができます。

また、館内には暖炉やマントルピースなど、当時の暮らしを偲ばせるものが残されています。これらの調度品は、実際に使われていたものであり、歴史の重みを感じさせてくれます。

旧宣教師館の庭園は、緑豊かな都会のオアシスです。手入れされた芝生や花壇、木々などが美しく、都会の喧騒を忘れてリラックスすることができます。

自由学園明日館と雑司ヶ谷旧宣教師館:二つの建築物の共通点

歴史と伝統が息づく建築美

自由学園明日館と雑司ヶ谷旧宣教師館は、どちらも歴史と伝統を感じられる貴重な建築物です。

明日館は、フランク・ロイド・ライトの設計思想が随所に反映された、モダンで機能的な建築です。一方、旧宣教師館は、西洋文化の香りを残す趣のある洋館です。

二つの建築物は、様式こそ違いますが、どちらも長い歴史の中で人々に愛され、大切に守られてきたという共通点があります。

見学料は無料です。(2024/07/20現在)

歴史と文化に触れる貴重な体験

自由学園明日館と雑司ヶ谷旧宣教師館は、歴史と文化に触れる貴重な体験ができる場所です。

建築美はもちろんのこと、当時の社会背景や人々の暮らしなどを想像しながら見学することで、より深く理解することができます。

また、静かな空間の中でゆっくりと過ごすことで、心身ともにリフレッシュすることができます。

歴史好きの方、建築好きの方、そして日々の喧騒から離れたい方におすすめです。

  • 歴史的価値のある建造物:どちらも国の重要文化財に指定されており、歴史的価値の高い建造物です。
  • 丁寧な施工:どちらの建築物も、一つ一つ丁寧に施工されており、職人の技が光ります。
  • 自然光を取り込んだ設計:どちらも、自然光を取り込んだ設計になっており、明るく開放的な空間です。
  • 静かな環境:どちらも、都会の喧騒から離れた静かな環境にあります。

まとめ

自由学園明日館と雑司ヶ谷旧宣教師館は、歴史と魂が息づく、心洗われる空間でした。日々の喧騒から離れ、静かに歴史を感じながら、建築美を堪能したい方におすすめです。

ぜひ、二つの建築物を訪れて、その魅力を体感してみてください。

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